辛い花粉症の季節を乗り越えるためには、自分に合う飲み薬を見つけてあげることが大切です。眠くなりにくいもの、効果が高いもの、鼻詰まりを解消する効果が高いものなど、ここでは症状に合わせた飲み薬の選び方を薬剤師資格を保有するライターがご紹介します。
花粉症の飲み薬を選ぶポイント
花粉症の飲み薬は、CMをやっていたり病院で貰っていたお薬と同じ名前だったりすると、どうしても「効きそう」と思ってしまうもの。しかし実際はそうでないものの方が多くあります。
正しい選び方を知らないために、ツライ毎日を送っている方もいるものです。花粉症の飲み薬を失敗せず選ぶ方法を見てみましょう。
眠気を抑えたいなら3つの中から選ぼう
「できるだけ眠くなりにくい飲み薬を使いたい」という方は、以下の3つから選びましょう。
市販薬の中で眠気が出にくいTOP3の飲み薬です。これらの飲み薬をさらに眠気が出にくい順に並べると、
となります。
アレグラFXとクラリチンEXを比べた場合、どちらがより眠気の出にくい成分かについては諸説があるので、ここでは「≒」と表記しました。
アレジオン20は花粉症の飲み薬全体で見れば眠くなりにくいものですが、この3つの中だけで比べた場合は、もっとも眠気が出やすい飲み薬です。
しかし効果の高さは
となります。またクラリチンEXとアレジオン20は1日に1回、アレグラFXは1日に2回の服用です。眠気の出にくさや効果の強さ、飲みやすさから選んでみてください。
とにかく効果が高い飲み薬なら「第1世代」のものを
抗ヒスタミン薬には「第1世代」のものと「第2世代」のものとがあります。単純に昔からある成分は第1世代、比較的新しいものが第2世代です。
基本的には第1世代の成分ほど花粉症の症状を止める効果が強くなっています。
CMでよく見かけるアレグラFXやアレジオン20は眠気が出にくくて使いやすいものの、しっかりと症状を抑えたい方にはやや不向きなものです。
第1世代の成分の中でも、市販薬だと以下の成分がよく配合されています。
- クロルフェニラミンマレイン酸塩
- ジフェンヒドラミン塩酸塩
花粉症の飲み薬だと、クロルフェニラミンマレイン酸塩を配合したものがほとんどです。とにかく症状を止めたい場合は、上記のうちどちらかが入っている飲み薬を選びましょう。速効性を求める方にも第1世代のものがおすすめです。
鼻詰まりを改善したいなら「血管収縮剤」が入っているものを
抗ヒスタミン薬にも鼻詰まりを改善する効果はありますが、思ったより鼻通りが良くならないことも多いものです。鼻が詰まって苦しいときは血管収縮作用のある成分も配合されているものを選びましょう。
鼻詰まりは血管が膨張して鼻腔の粘膜が腫れることで起こります。そのため血管を収縮してあげれば、鼻詰まりも解消されるのです。
もちろんわざわざ血管収縮剤が入っているものを選ばなくても、鼻炎スプレーをいつもの飲み薬にプラスして使っても問題ありません。
飲み薬に配合されている血管収縮剤には、主に以下のものがあります。
- フェニレフリン塩酸塩
- 塩酸プソイドエフェドリン
塩酸プソイドエフェドリンは特に、鼻通りを良くする効果に優れている成分です。「パブロン鼻炎カプセルSα」や「コンタック600プラス」などに配合されています。
フェニレフリン塩酸塩が配合されている飲み薬は、「ストナリニS」や「コルゲンコーワ鼻炎ジェルカプセル」などが代表的です。フィルムタイプで水なしで飲める「コルゲンコーワ鼻炎フィルムクール」にも配合されています。
口の渇きが気になるなら「第2世代」もしくは「生薬配合」のものを
古くからある第1世代の抗ヒスタミン薬は、効果が高いものの眠気や口の乾きといった副作用が出やすくなっています。一方で第2世代の抗ヒスタミン薬はこれらの副作用が抑えられていることが特徴です。
とはいえ第2世代すべての抗ヒスタミン薬で口の渇きの副作用が抑えられているわけではありません。
眠くなりにくい飲み薬のところでも紹介した、アレグラFX、アレジオン20、クラリチンEXであれば口の乾きが出にくいので使いやすいでしょう。
また第1世代の抗ヒスタミン薬を配合したものでも、比較的口が渇きにくいと言われている飲み薬もあります。それが「アネトンアルメディ鼻炎錠」です。
アネトンアルメディ鼻炎錠には花粉症の症状を抑える生薬成分が配合されています。とくに口の乾きを抑えるために配合されているわけではないのですが、比較的抑えられていることが特徴です。
おすすめの花粉症の飲み薬10選
アレジオン
アレグラ
アレルビ
クラリチン
ストナリニS
コンタック600プラス
アネトンアルメディ鼻炎錠
パブロン鼻炎カプセルSα
コルゲンコーワ鼻炎ジェルカプセル
コルゲンコーワ鼻炎フィルムクール
まとめ
花粉症の飲み薬は、アレグラFXやアレジオン20がドラッグストアではとても人気の高い商品ですが、中には違うお薬の方が合うケースもあります。
しっかりと症状を止めたい場合はアレグラFXやアレジオン20ではなく第1世代の抗ヒスタミン薬を配合した飲み薬の方が効果は高いのです。
眠気や口の渇きの出にくさ、効果の高さなど自分が使いやすい飲み薬をぜひ見つけてみてください。